
簿記の学習をスムーズに進めるために「帳簿の締め切り方」について学んでおこう

「帳簿の締め切り方」?何ですかそれは?
帳簿の締め切りとは?

「帳簿の締め切り」とは,
ある会計期間が終わったタイミングで,取引の記録をいったん区切り,集計して確定させる作業のこと

つまり「この期間の取引はここまで!」とはっきりさせるということですね!
帳簿を締め切る理由は?

でもなぜ締め切るのですか?

それは,その期間の収益・費用・損益・税金を把握するためじゃ。
締め切った帳簿をもとに「損益計算書」と「貸借対照表」を作成するのじゃよ

なるほど…あるタイミングまでの経営状態を一度まとめるんですね
でもタイミングはいつですか?

企業の会計処理は基本的に1年じゃ
中には,四半期や月で会計処理しているところもあるがのう
簿記の試験では問題文の初めに,その企業の会計処理期間を提示してくれるから心配するな
帳簿の締め切り方は?

締め切りってどうやってやるんですか?

うむ。例題で説明してゆくぞ!
次のような「勘定」があったとしよう
今回,会計期間は4/1~3/31としよう


まず考えるのは.「借方合計」と「貸方合計」を同じにすることです。
今回,「借方合計」が40,000。「貸方合計」が60,000 + 12,000 = 72,000
なので,「借方合計」が32,000不足しておるのう。
だから,「借方」に「次期繰越」という名前で不足分を追加するのじゃ。
その時,日付は締め切る最終日を記入じゃ。


続いて,「借方合計」と「貸方合計」をそれぞれ記入し,合計金額の下に2重線を引く。


最後に,「次期繰越」の逆側に「前期繰越」と記入し,「次期繰越」と同じ金額を記入すれば,帳簿の締め切りは完了じゃ!


うーむ。やり方は分かりましたが,何をしてるのかが分かりません。

それでよい!まずは機械的に覚えてしまおう!
理屈はその後じゃ
「前期繰越」と「次期繰越」

では,気になっていた理屈を説明しよう
簡単に言えばこうじゃ
「次期繰越」とは,「次の会計期間に引き継ぐ金額」

つまり,期末の残高を次期に繰り越すということじゃな
”今期の残高を次期に繰り越して考えましょう”
「前期繰越」とは,「前の会計期間から引き継いできた金額」

つまり,期首の残高を今期期に繰り越すということじゃな
”前期の残高を当期に繰り越して考えましょう”

なるほど!例えば今回,現金は「貸方合計」の方が多いので,今期はマイナスが大きいということですね。それを次期に反映させて,マイナススタートから考える。
だから,「前期繰越」が「貸方」へ来ているのか!

その通り!今期で明らかになったプラス,マイナスを次期に考慮させるのが目的なのじゃ。
会計期間は,あくまで一時的な決算だからな
まとめ
・「帳簿の締め切り」とは,ある会計期間が終わったタイミングで,取引の記録をいったん区切り,集計して確定させる作業のこと
・目的は,その期間の収益・費用・損益・税金を把握するため
・締め切りのやり方は機械的に理解していい
・「次期繰越」とは,「次の会計期間に引き継ぐ金額」
・「前期繰越」とは,「前の会計期間から引き継いできた金額」



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