ここでは,簿記の初めのSTEP「取引」について解説します。
「取引」は文章をしっかり読めば誰でも簡単に解ける部分なので,一緒に学習していきましょう。
▼▼▼▼▼▼私はこれで勉強しました▼▼▼▼▼▼▼▼
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取引とは?
取引とは,「資産,負債,資本,収益,費用を変動させる事柄・事象」のことです。
「取引」が行われている場合,簿記上での処理が可能になり,次のSTEPに進むことが出来ます。
取引の8パターン
取引の組み合わせで発生するのは,次の図で確認することが出来ます。実線通しで結ばれたもの同士が取引発生の可能性があり,結ばれていない者同士は取引発生の可能性がありません。点線で結ばれたもの同士はほとんどなく,3級程度であれば覚える必要はありません。

また,個人的意見としては,この関係図を暗記する必要は全くありません。
「取引」の有無を聞かれる問いは,ほとんど出題されず,されたとしてもさほど難しくないからです。
本ページの最終での練習問題を解いてみて感覚をつかめれば問題ありません。
簿記上の取引とは?判断する上での注意点
注意したいのは,私たちが一般的に使用する「取引」と「簿記上の取引」は若干意味が異なることです
例えば,

車屋さんで車を購入する「取引」をしてきました。
普段耳にする「取引」という言葉からすると変ではないですね?
しかし,簿記上でこれは「取引」として扱いません。
車を買う約束をしただけで,お金の支払いはまだです。
つまり,資産などが変動していないので,「取引」として扱わないのです。
「取引」として扱うかそうでないかを正しく判断する力を身に着けていきましょう
練習問題
次の問1~10が簿記上の取引に ”該当する” か ”該当しないか” 答えなさい。
「従業員を月給200,000円の契約で雇い入れた」
問1解答
該当しない
解説:単に契約を結んだだけなの段階なので,簿記上の取引にはなりません。
「商品100,000円を掛けで購入した」
問2解答
該当する
解説:商品という資産が増加し,買掛金という負債が増加しているので,簿記上の取引となります。
「火災が発生し,建物2,000,000円が焼失した」
問3解答
該当する
解説:建物という資産が減少し,火災損失という費用が発生しているので,簿記上の取引となります。
「盗難にあい,現金20,000円の被害を受けた」
問4解答
該当する
解説:現金という資産が減少し,盗難損失という費用が発生しているので,簿記上の取引となります。
「土地を月額150,000円の約束で借りることにした」
問5解答
該当しない
解説:単に契約を結んだだけの段階なので,簿記上の取引にはなりません。
「通信費25,000円を現金で支払った」
問6解答
該当する
解説:通信費という費用が発生し,現金という資産が減少します。
「備品を購入し,代金は来月末に支払う約束にした」
問7解答
該当する
解説:備品という資産が増加し,未払金という負債が増加しています。
「会社の業務に関して,損害賠償金請求額が3,000,000円の裁判を起こされた」
問8解答
該当しない
解説:裁判を起こされた段階なので,資産,負債,資本,収益,費用に変動はありません。したがって取引ではありません。
「商品を70,000円で購入する売買契約を締結した」
問9解答
該当しない
解説:契約を結んだ段階なので,資産,負債,資本,収益,費用に変動はありません。
「店舗について,月額100,000の賃貸契約を結んだ」
問10解答
該当しない
解説:契約を結んだ段階なので,資産,負債,資本,収益,費用に変動はありません。
以上になります。いかがでしょうか?関係図がなくとも,お金や資産に動きが”ある”か”ない”かというだけで判断できるかと思います。
まとめ
「取引」とは…「資産,負債,資本,収益,費用を変動させる事柄・事象」のこと。
ただし,私たちが普段使用する「取引」と「簿記上」の取引は若干異なる。
「取引」の組み合わせは,8パターンあるが,関係図を暗記する必要はなし。
文章を読み,お金や資産に動きがあったかどうかで「取引」に該当するか判断できる。
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